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サンマ漁獲規則協議 国際会合開幕 日本は管理強化目指す


サンマ漁獲規則協議 国際会合開幕 日本は管理強化目指す NPFC参加国・地域のサンマ漁獲量の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 不漁が続くサンマなどの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が15日、大阪市で開幕した。日本や中国など9カ国・地域がメンバーで、日本からは水産庁の幹部が参加。資源回復に向けて、日本は管理強化を目指す。18日までの日程で、サンマの総漁獲枠を資源状況に応じて自動的に計算する管理規則の導入可否を協議する。
 サンマの漁獲枠はこれまで、資源状況を踏まえた各国間の交渉で決めてきた。管理規則を導入すれば、科学的な資源評価を総漁獲枠に適時反映できるようになる。
 議長を務める太田慎吾農林水産省顧問は冒頭「資源を守りながら、持続可能な範囲で漁獲枠を確保する必要性も忘れるべきではない。メンバー間で合意できることを願う」とあいさつした。
 昨年の会合では、参加国・地域全体の2023、24年の総漁獲枠を22年比で約25%削減し、年25万トン以内とすることで合意。今回、管理規則の導入が決まり、24年からの適用で合意した場合、24年の枠は昨年の合意数量より縮小する見通しだ。各国への枠の配分は引き続き交渉で決める。
 参加国・地域の23年の漁獲量の合計は約12万トンで、14年の約63万トンの2割程度に落ち込んだ。23年の漁獲量は総漁獲枠の約5割にとどまり、うち日本は約2万5千トン。
 近年の不漁は、中国や台湾がサンマを過剰に漁獲することが一因とされ、日本は厳格な資源管理が必要との立場だ。