沖縄電力は2024年から、発電の燃料となる石炭の調達先に新たに南アフリカを加え、輸入を始めた。ウクライナ危機や円安の影響で石炭価格が上昇して同社の経営を直撃した経験を踏まえ、調達先や価格指標の分散を図る。既に1~3月に南ア産を二度受け入れ、同社の23年度の石炭の調達実績の5.5%を占めた。
沖電の石炭火力発電所は、金武町とうるま市具志川の2カ所にある。両発電所の石炭は全て海外産で、近年は主にオーストラリアとインドネシアから調達してきた。22年度は143万7千トンを輸入した。
だが、ウクライナ危機などを受け石炭価格は異例の水準に高騰。同社単体の22年度決算は502億円の経常損失を計上し過去最大の赤字だった。本永浩之社長は株主総会などの場でコスト削減や効率化の一環として、北米や南アを含めて石炭の調達先を増やす考えを示していた。
(當山幸都)