有料

景況8期連続プラス 中小1~3月 人手不足深刻


景況8期連続プラス 中小1~3月 人手不足深刻
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県中小企業家同友会は19日、2024年1~3月期の景況調査を発表した。業況判断指数(DI)はプラス19・9で、前期調査と比べて1・8ポイントの微減だったが、8期連続でプラスだった。経営上の問題は前期に続き「人手不足」が1位だった。同会は人手不足と同時に人件費が上昇しているとして「持続的な賃上げにつながる生産性向上が必要だ」とした。
 全業種業況DIの内訳は「好転」が35・3%、「不変」が49・3%、「悪化」が15・4%だった。
 売上高DIは前期調査と比べて0・3ポイント上昇の24・8でプラス超が続いた。インバウンド(訪日客)を含め観光需要が引き続き好調で、前年同期(23年1~3月)と比べても0・7ポイント上がった。
 経常利益は前期と比べて0・3ポイントの微減だったが、プラス超の16・0。一方、建設業はマイナス10・0だった。前期より6・6ポイント改善したがマイナス超が続いた。「建設業はもともと人手が不足気味だった中で、人件費が高騰したり工期が伸びたりして、経費が上がっている」と分析した。
 同会の星崎浩二政策委員長は、人手不足による人件費上昇や円安が利益を圧迫しているとした上で「価格転嫁できているところと、できていないところがある。比較的値上げしやすい新商品の投入や付加価値の向上、生産性を高める従業員のスキル向上、デジタル化によるコスト削減など収益確保が重要だ」と話した。 (島袋良太)