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物価上昇続けば追加利上げ 「可能性高い」 日銀総裁


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 【ワシントン共同】日銀の植田和男総裁は19日(日本時間20日)、米ワシントンで講演し、一時的な要因を除いて基調的に物価が上昇し続ければ「(追加で)金利を引き上げる可能性が非常に高い」との考えを改めて強調した。具体的な時期には言及しなかった。25日からの金融政策決定会合では据え置きの公算が大きいが、日米の金利差による歴史的な円安が進む中、追加利上げを巡る発言を受けての外国為替市場の反応が注目される。
 日銀は3月の決定会合で大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げした。市場では追加利上げのタイミングとペースに関心が集まっている。
 植田氏は講演で、足元の物価上昇率は日銀が物価安定の目標とする2%を下回っているため「緩和的な金融環境が必要だ」と述べ、金融政策の変更には慎重な評価が必要だとの認識を示した。
 これまでの30年間、物価上昇に応じて持続的に金利が上昇する局面がなかったことで「過去のデータを使用して推定することは難しく、私たちにとって挑戦になる」とも説明した。金利の急上昇を防ぐため続けている国債の買い入れの縮小を巡っては「どのようなタイミングとスピードで減額していくか、時間をかけて検討する」と語った。
 米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡っては、想定より遅れるとの見方が強まっている。