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免税還付、現金以外でも 訪日客向け制度見直しへ


免税還付、現金以外でも 訪日客向け制度見直しへ 免税制度見直しのイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府が、訪日客が土産品を買う時に消費税を免税している制度を巡り、訪日客にいったん消費税を含めた代金を支払ってもらった上で、出国時に現金で還付するだけでなく、現金を使わずクレジットカードなどに還付する新たな仕組みの導入を検討していることが23日分かった。
 政府は免税制度を悪用して土産品を国内で不正転売する事案への対策を強化する方針。空港で現金による還付をすれば手続きが煩雑になる。政府は空港の混乱を避けるため、手続きが簡単なキャッシュレスによる還付を促す。今後詳細を詰め、2025年度税制改正に盛り込むことを目指す。
 現在は訪日客が5千円以上の免税品を買って出国する場合、原則として購入時に消費税がかからない。化粧品や菓子などは日本を旅行中に消費したり、転売したりしないよう、袋や箱に梱包(こんぽう)して封印したまま出国する。空港の税関のチェックで現物がなかったり、数が合わなかったりした場合は免税が適用されず、消費税を徴収される。
 税関で全員を調べられないこともあり、制度を悪用して免税品を大量購入し、出国前に転売することで消費税分を不正にもうけるケースが後を絶たない。
 このため政府は24年度税制改正で、購入時に消費税も含めて代金を支払ってもらい、出国時に問題がなければ還付する方式に転換する方針を打ち出した。具体的な還付方法などは25年度税制改正で決めるとしていた。
 新たな仕組みでは、空港ロビーに設置する端末にパスポートを読み込ませ、購入履歴を確認し、必要に応じて詳しく荷物と照合する。現物が確認できれば免税店側に通知する新たなシステムを構築する。通知を受けた店側がクレジットカードで消費税分を返金する。フランスなどで同様の還付方式を導入している例も参考に制度設計する。