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LINE株の取得交渉 情報流出問題 SB、韓国IT大手と


LINE株の取得交渉 情報流出問題 SB、韓国IT大手と LINEヤフーの資本構成
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 通信アプリLINE(ライン)の個人情報が大量流出した問題を巡り、ソフトバンクが運営元であるLINEヤフーの中間持ち株会社の株式を韓国IT大手ネイバーから買い取る交渉を進めていることが23日、分かった。資本関係を見直しネイバーの影響力を下げることで、総務省がLINEヤフーに出した2回の行政指導に対応したい考えだ。
 ソフトバンクとネイバーは、LINEヤフーの中間持ち株会社であるAホールディングス(HD)の株式を50%ずつ保有しており、両社がLINEヤフーの実質的な親会社になっている。
 個人情報の流出はネイバー側への不正アクセスが発端だったが、総務省はLINEヤフーが資本関係で上位に立つネイバーに改善を強く求められないことが問題の背景にあるとみて、3月に資本を含めたネイバーとの関係見直しを求める異例の行政指導に踏み切った。今月にも対応が不十分だとして追加の行政指導を実施した。
 ソフトバンクは、ネイバーからAHDの株式を少しでも買い取ることができれば出資比率でネイバーを上回ることになり、LINEヤフーの経営に対して主導権を取ることができる。ただLINEヤフーの抜本的な改革のためにはわずかな株式の買い取りでは不十分とみて、一定割合の株式を取得したい意向だ。
 一方でネイバーは、自社のLINEヤフーに対する影響力が下がると難色を示しているとみられる。ソフトバンクは5月9日の決算発表を一つの節目として交渉を急ぐが、進展するかどうかは見通せない。
 総務省は、ソフトバンクに対しても適切な対応を取るよう口頭で伝えた。