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円安加速、155円台後半 市場、介入に警戒感


円安加速、155円台後半 市場、介入に警戒感 円相場の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 25日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=155円74銭と1990年6月以来、約34年ぶりの円安ドル高水準を更新した。前日に米長期金利が上昇したことを受け、日米の金利差拡大を意識した円売りドル買いが加速した。市場では政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっており、日銀の金融政策決定会合を注視している。
 24日の海外市場で1ドル=155円を突破した後も円安が止まらない。堅調な米景気を背景に、物価高が収まらず連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が遅くなるとの観測が出ている一方、日銀は25、26日の決定会合で、現行の政策金利を維持するとの見方がある。日米金利差の開いた状況が当面続くとみて、ドルを買って円を売る動きが広がった。
 東京市場の午後5時現在は、前日比73銭円安ドル高の1ドル=155円62~64銭。ユーロは1円29銭円安ユーロ高の1ユーロ=166円83~87銭。
 25日の東京株式市場では、日経平均株価(225種)が大幅反落し、終値は前日比831円60銭安の3万7628円48銭だった。為替介入があった場合の円相場の急激な変動が警戒されたほか、前日に900円超上げた反動で利益確定売りもあった。
 林芳正官房長官は25日午前の記者会見で、急速な円安進行に関し「過度な変動は望ましくない。動向をしっかり注視し、万全の対応を行いたい」と述べたものの、さらに円安が進んだ。
 市場では1ドル=155円を政府・日銀の防衛ラインと見る向きがあった。上田東短フォレックスの阪井勇蔵営業企画室室長は「まだ政府・日銀による為替介入がないのではという雰囲気が市場に広がった」と話した。