日本トランスオーシャン航空(JTA、野口望社長)が2日発表した2024年3月期決算(速報値)は、純利益が15億円(前年同期は8900万円)となり、2年連続の黒字だったと発表した。売上高は前年同期比29%増の465億円(同361億円)、経常利益は21億円(同1億円)の増収増益だった。昨年5月の新型コロナの5類移行後、国内・国際チャーター便運航や需要喚起策の実施などが影響した。
旅客数は前年同期比30・3%増の310万5千人(同238万4千人)と大幅に増加した。今期から使用機材を1機増便し、14機体制で通年運航路線の拡大やチャーター便運航などを行ったことで、旅客収入も同32・2%増の398億円となった。新型コロナ前の19年度比では、単価の上昇などから旅客収入は6・8%増となったものの、需要(RPK)は5・2%減、有償座席利用率も5・7ポイント減となった。
貨物・郵便収入は前年度比2・5%増の18億円で、外航機の整備受託収入の増加などから、付帯事業収入は同10・4%増の16億円だった。
営業費用は前年比23・2%(83億円)増の443億円だった。燃油市況の高止まりや円安、物価の上昇などから費用が増加した。
夏場の高需要期に台風6号が襲来したことで多くの欠航が発生し、第2四半期の売り上げが減少したものの、秋以降の需要が旺盛だったことなどから、持ち直した。
24年度の売上高は23年度比11・5%増の519億円、営業利益41億円、経常利益41億円、純利益28億円を目標とする。
引き続き物価高騰や為替の影響などで、費用面で厳しい経営環境を想定しているが、回復する航空需要の取り込みや人流、物流、商流の促進を図る。
野口社長は「昨年の夏場の台風分の回復や、チャーターでの運航便数増などから、24年度の目標達成に向けて励みたい」と話した。(與那覇智早)