有料

サルが鳴らした石 “支猿”のお礼 愛知の動物園、運営資金募る


サルが鳴らした石 “支猿”のお礼 愛知の動物園、運営資金募る 石を鳴らすサル(日本モンキーセンター提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界最大級の霊長類の動物園「日本モンキーセンター」(愛知県犬山市)が、インターネットで運営資金を募るクラウドファンディングを行っている。新型コロナウイルス禍などによる入園者数の低迷や物価高が続くためで、目標は1070万円。園ならではの返礼品が話題を呼び、「サルがカチカチ鳴らした石」など一部はすでに品切れになった。追加も検討している。
 集まった資金は、古くなった動物用の暖房器具や血液検査機器、スタッフ間の連絡用無線機のほか、園が保管する標本の修復費用に充てる。学芸員の高野智さん(49)は「サルを知ることは人を知ること。センターの活動が長く続くようにぜひ“ご支猿”を承りたい」と話した。31日まで。
 学芸員らは「動物に愛着を持ってもらえる返礼品を用意したい」との思いからアイデアを出し合った。品切れになった石は、園のサルが両手で打ち鳴らしたものだ。食後に見られる行動だが、理由は分かっていない。ゴリラのかじった枝も用意したほか、餌やりやガイドツアーなどの体験型も選べるようにした。2014年度に約15万人いた入園者は年々減少し、コロナ禍の20年度には7万人弱に落ち込んだ。22年度は9万3千人に回復したものの、光熱費や餌代の高騰の直撃を受けて出費がかさんでいるという。センターは1956年設立。霊長類学専門の大学教員らが運営しており、約50種類720頭以上を飼育する。自治体からの補助はなく、入園料や支援金などで運営費を賄う。