カンタス航空　制裁金１００億円　欠航便、８万人に販売

　【シドニー共同】オーストラリアの競争消費者委員会は６日、カンタス航空があらかじめ欠航が決まっていた航空券を延べ８万６千人以上にそのまま販売していたことを認め、制裁金１億豪ドル（約１００億円）を政府に支払うことで競争委と合意したと発表した。カンタスは、対象者に代替便提供や払い戻しの措置に加え、計２千万豪ドルを追加補償する。
　競争委のキャスゴットリーブ委員長は「欠航済みの“幽霊便”を多くの消費者が予約し、休暇や出張の予定を立てていたことだろう」と指摘。カンタスは声明で「速やかに欠航の通知をすることを怠った」と謝罪した。
　制裁金支払いは裁判所の承認を受け正式に決定する。
　競争委によると、販売後に欠航が決まったが、購入者に直ちに通知しなかった事例も数千件あった。不正は２０２１年５月から２３年８月まで行われた。競争委は昨年８月、カンタスを提訴。同社は新型コロナ流行による人員不足が混乱をもたらしたと主張していた。