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資本関係見直し「交渉中」 LINEヤフー 韓国IT大手と


資本関係見直し「交渉中」 LINEヤフー 韓国IT大手と 謝罪するLINEヤフーの出沢剛社長=8日午後、東京都千代田区
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 通信アプリLINE(ライン)の情報流出問題に関連し、運営元のLINEヤフーの出沢剛社長は8日の決算会見で、韓国IT大手ネイバーとの資本関係見直しについて「ソフトバンクとネイバーの間で交渉が行われている」と明らかにした。総務省は、ネイバーが主要株主としてLINEヤフーを支配する関係を含め、経営の抜本的な見直しを求めている。
 ネイバー出身で「LINEの生みの親」ともされる慎(シン)ジュンホ氏が6月の定時株主総会を経て代表取締役を退任し、最高製品責任者(CPO)に専念することも発表した。経営と執行の分離を進めて企業統治を強化する。
 ソフトバンクとネイバーは、LINEヤフーの中間持ち株会社の株式を50%ずつ保有しており、両社がLINEヤフーの実質的な親会社になっている。LINEヤフーはシステム運営を委託しているネイバーに対し、セキュリティー対策などの改善を強く求められないことが情報流出の背景と総務省はみている。
 出沢氏はネイバーへの委託を全て終了すると強調し、資本関係見直しに関して「ソフトバンクがマジョリティー(多数)を取る形での変更が大前提だ」と説明した。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長から「重大な事態なので、最優先でやりきるようにというアドバイスをいただいた」とも話した。
 取締役への株式報酬を本年度は支給しないことも発表した。情報流出について「多大なる心配をかけたことをおわびする」と謝罪し「セキュリティーガバナンスの確立に今後も注力していく」とした。
 総務省は3月にLINEヤフーを行政指導。LINEヤフーは4月に再発防止策を提出し、総務省は不十分として4月中旬に再度の行政指導を実施した。