【宮古島】パラダイスプラン(宮古島市、西里長治代表)と寿製菓(鳥取県、城内正行社長)が8日に市平良荷川取に設立する新会社「ケーエムエフ」は、建設予定の自社工場で、パラダイスプランが手掛ける土産菓子「雪塩さんど」製造や他社の土産菓子の受注生産を事業の柱に据える。そのほか、地元の農産物を使用した商品開発に力を入れ、宮古圏域の6次産業化をけん引し、地域振興を図る。
パラダイスプランの主力製品「雪塩さんど」は6年前に販売を開始。寿製菓に製造を委託し、県外の工場で生産してきた。新型コロナウイルスの影響を受けたが、需要は増加傾向で、西里代表は「これ以上、生産を増やすことが難しくなったため、寿製菓に相談すると、市内で工場を建設する流れになった」と経緯を説明した。
同社によると、「雪塩さんど」の売り上げは2022年度が6億円、23年度が10億円で、24年度は15億円を見込む。26年の工場完成後は量産化を進め、さらなる成長を目指している。
寿製菓は東証プライム上場の寿スピリッツ(鳥取県)の主力子会社。新会社の出資比率は寿製菓が90%、パラダイスプランが10%で資本金は3千万円。社長に就任し、運営を担っていく寿製菓の城内社長は「現地で商品を作ることがブランド価値を上げる」と宮古島で工場を構える意義を強調した。新会社の従業員は約100人を予定し、雇用創出につながるとした。社員寮の建設も視野に、市内の人材不足の状況に対応する考え。
建設予定の工場に併設して飲食や買い物が楽しめる商業施設も整備する。オリジナル商品の開発も検討している。施設が、平良港クルーズ船専用バースに近いなどの利便性も踏まえ、新たな観光名所化を目指す。
宮古島市の嘉数登副市長は市内の観光産業が順調に伸びている状況に触れ「企業の稼ぐ力の強化、地産地消による地域内の経済循環につなげていくためにも付加価値を生み出す取り組みは必要だ。大いに期待している」と語った。
(友寄開)