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5月消費支出1.8%減 物価高、食料買い控え


5月消費支出1.8%減 物価高、食料買い控え 1世帯当たりの消費支出増減率
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 総務省が5日発表した5月の家計調査は、1世帯(2人以上)当たりの消費支出が29万328円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月を1・8%下回った。マイナスは2カ月ぶり。物価高で食料を中心に消費者の買い控えが起きたのが主な要因だ。歴史的な円安を受け、海外旅行を避ける動きも目立った。
 支出を項目別に見ると、約3割を占める「食料」が前年同月比3・1%減となった。野菜や調理食品、菓子類、外食が減った。円安で割高になった外国パック旅行費が落ち込み「教養娯楽」は8・4%減だった。
 「光熱・水道」は9・7%減った。気温が高かったため、北日本で暖房を使い終わる時期が早まり、電気代が減った。
 自動車購入が増えた影響で「交通・通信」は4・2%増えた。ただ、低料金プランへの移行が進み、携帯電話通信料は減少した。「教育」は9・3%増だった。新型コロナウイルス禍の収束で、予備校に通う人が増えたことが影響した。
 自営業などを除いた勤労者1世帯(同)の実収入は、実質で3・0%増の50万231円だった。プラスは20カ月ぶり。特殊要因で前年同月の収入が低くなった可能性があり、2年前と比べるとマイナスだった。

 家計調査 家計における1カ月の消費支出の推移を分析し、総務省が毎月公表している。2人以上の世帯を中心とする全国の約9千世帯が対象で、食料や住居、光熱・水道、教育、娯楽といった費目ごとの金額を調査票に記入してもらう。前年同月比の増減率などから個人消費の動向が把握できる。景気の状況を判断し、経済政策を決める際の指標として使われる。