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タウンページ冊子廃止へ 130年歴史に幕 NTT、ネット版注力


タウンページ冊子廃止へ 130年歴史に幕 NTT、ネット版注力 NTT東西が廃止する紙の冊子のタウンページ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 NTT東日本とNTT西日本が、店舗や企業の情報をまとめた電話帳「タウンページ」の紙の冊子の廃止を決めたことが11日、分かった。インターネットの普及を背景に情報を得る手段が多様化し、利用者が減少。直近の発行部数はピーク時の半分以下に落ち込んでいた。今後はネット版の電話帳「iタウンページ」といったサービスに注力する。
 「タウンページ」の起源は1890年に発行された国内初の電話帳「電話加入者人名表」。個人の電話番号や住所を掲載した五十音順の「ハローページ」は2021年10月以降に各地域で発行した最終版で終了となっており、130年余りにわたる歴史に幕が下りることになる。
 五十音順の「ハローページ」終了後も、職業名やサービス名から企業の電話番号などの情報を探せる「タウンページ」の紙の発行は続けていた。幅広い世帯や事業所に無料で配布され、地域情報を探す消費者や、企業の営業活動などに活用されてきた。
 しかし、発行部数はピークとなった05年度の約6310万部から、23年度には58%減の約2662万部にまで減少。携帯電話や交流サイト(SNS)、メールなどの連絡手段が増え、企業側にとっても紙の冊子の利点が薄れていた。
 ネット版の「iタウンページ」は全国の店舗や企業を探せる検索サイト。スマホアプリ版もあり「履歴一覧」や「お気に入り登録」といった機能も備えている。
 オンラインサービスには発行済みの紙の「タウンページ」が閲覧できるサイト「タウンページライブラリー」もある。NTT東は今後も継続するかどうかについて、取材には明らかにせず「時期が来たら公表する」としている。