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デジタル教科書のみ3% 公立小中・英語 使い慣れた紙志向強く


デジタル教科書のみ3% 公立小中・英語 使い慣れた紙志向強く 公立小中学校でのデジタル教科書の活用状況
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 財務省が全国の公立小中学校の教員を対象に実施した調査で、英語の授業でデジタル教科書のみを使っているとの回答が3%にとどまったことが11日、分かった。算数・数学は4%だった。政府は小中学生に1人1台のタブレット端末やパソコンを配備して教育のデジタル化を推進しているものの、多くの教員が使い慣れた紙の教科書の利用を志向している姿が浮き彫りとなった。
 デジタル教科書は、紙の教科書と同じ内容を端末で読めるようにしたもの。音声、動画の再生や立体的な図形の表示といった紙の教科書にはない機能もある。文部科学省は紙との併用を基本とし、デジタル教科書を4回に1回以上利用する割合を2028年度に100%を目指している。
 政府は21年度以降、デジタル教科書の購入費として計約106億円を計上した。
 財務省は今春、デジタル教科書普及促進事業の予算執行調査で、全国の小中学校で英語、算数・数学を担当している教員計約千人を対象にアンケートを実施。デジタル教科書のみを使っていると回答した教員は、英語が3%、算数・数学が4%だった。
 「紙のみ」「デジタル・紙を併用しているが、紙が多い」との回答の合計は、英語が60%超、算数・数学が70%超に及んだ。デジタル教科書を毎回の授業で使わない理由を聞いたところ、半数以上の教員が「デジタル教科書の機能を使わない場合は、紙の方が使いやすいため」と答えた。