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冬のスポーツ観光誘客へ OCVBとりゅうぎん総研 支出平均9万658円 「長期滞在の仕組みづくりを」


冬のスポーツ観光誘客へ OCVBとりゅうぎん総研 支出平均9万658円 「長期滞在の仕組みづくりを」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)とりゅうぎん総合研究所は12日、県内で開催された四つのスポーツ大会を対象としたスポーツツーリズムの実態調査リポートを発表した。1人当たり消費単価は約8万3千円~約10万7千円と試算。観光客全体の消費単価より低いものの、対象イベントはいずれも来訪時期が閑散期とされる冬場で、支出額の底上げに一定の貢献度がうかがえる。OCVBの担当者は「観光の年間平準化を図る貴重なターゲットとなる」と分析する。
 県が掲げるスポーツツーリズムの推進に向け、戦略的な誘客促進策を検討するために実施した。昨年11月から今年1月にかけて、県外からの参加が多いプロバスケットボールBリーグのオールスター大会、自転車のツール・ド・おきなわ、石垣島マラソン、NAHAマラソンの県外からの来場者を対象にアンケートした。
 1人当たりの平均直接支出額(航空券などの渡航代含む)が最も高かったのはツール・ド・おきなわの10万7688円で、4大会の平均は9万658円だった。県の観光実態調査(2022年度)によると、観光客全体消費単価(渡航代含まず)は同10万3706円で、スポーツツーリズム来訪者の消費単価は一般観光客より低いと推測される。
 OCVBは「ホテル代は夏場と冬場で変動があるため単純比較はできない」と補足説明した上で、支出額の向上に「ターゲット層ごとの観光コンテンツを分析し、県全体を周遊させるコンテンツの提供や長期的な滞在を促す仕組みづくりが必要だ」と強調した。 (與那覇智早)