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耐震スリット 大幅に不足か 清水建設マンション


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 大手ゼネコン清水建設(東京)が20年以上前に仙台市で施工したマンション1棟で、地震による建物の損傷を防ぐために設ける隙間「耐震スリット」が大幅に不足している恐れがあることが16日、同社などへの取材で分かった。清水建設東北支店は原因は分からないとした上で、設置工事を実施するとしている。
 仙台市の郡和子市長は16日の記者会見で、同社に対し、安全性を確認し報告するよう求めたと明らかにした。
 耐震スリットは柱と壁の間に設ける数センチの隙間で、揺れの影響を和らげる役割を持つ。同社などによると、壁に多数のひび割れが見つかり、今年6月にマンション管理組合側と共同で無作為の85カ所でスリットの有無を調査。うち74カ所で存在が確認できなかった。
 管理組合の顧問建築士を務める都甲栄充1級建築士によると、スリットは建物全体で約750カ所あるとされ、調査対象外の箇所でも同様の可能性が高いという。都甲氏は「スリットがある場所を探す方が難しいぐらいだった。手抜き工事も甚だしい」と述べた。