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住宅ローン体力勝負の様相 三菱UFJ金利最低水準に


住宅ローン体力勝負の様相 三菱UFJ金利最低水準に 各行の住宅ローンへの取り組み
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 住宅ローン競争が激化している。日銀の利上げを反映して貸出金利を引き上げる銀行が増える中、最大手の三菱UFJ銀行があえて金利を据え置き、業界最低水準に設定した。低金利を売りにしてきたインターネット銀行など新興勢力が対抗措置に動き、体力勝負の様相だ。
 「必ず勝ちきる」。三菱UFJ銀の幹部は息巻く。10月に新規で貸し出す変動型の最優遇金利は年0・345%。借り手の信用力に応じて決める優遇幅を拡充して維持した。金利を9月分に比べ0・15~0・25%引き上げた銀行が多いことを意識。全国約320カ所の店頭などにチラシを置き、金利のお得さを大々的にアピールしている。
 新興勢もすかさず反応し、KDDI傘下のauじぶん銀行(東京)は住宅ローンの利用者に来年1月から3年間、現金を還元すると発表した。借り換えによる他行への顧客流出を防ぐ狙いが透け、広報担当者は「当行を長く利用してほしい」と説明する。
 SBI新生銀行(東京)は、住宅ローンの比較診断サービス「モゲチェック」を手がけるMFSと組み、変動型の最優遇金利を10月限定で0・29%にした。モゲチェックの診断で審査に通りやすいと判断された人に限るが、三菱UFJ銀を下回る水準にして対抗する。
 PayPay銀行(東京)やみずほ銀行、りそな銀行は団体信用生命保険を充実させ、需要が伸びている「ペアローン」に力を入れる。夫婦など2人で借り入れるタイプの住宅ローンに金利を上乗せすれば、どちらかが亡くなった場合などに双方の残債が免除される。