一名・一個・一便に心込め ANA沖縄空港 窪田啓一郎社長【琉球新報デジタルPR特別企画】


一名・一個・一便に心込め ANA沖縄空港 窪田啓一郎社長【琉球新報デジタルPR特別企画】
この記事を書いた人 琉球新報社

【プロフィール】
 くぼた・けいいちろう 1965年生まれ、神奈川県横浜市出身。88年全日本空輸入社。東京空港支店(羽田空港)旅客サービス部長やグループ会社役員を経て、2020年4月から現職。

―2023年を振り返って。

 弊社は那覇、新石垣、宮古の3空港で社員約1230人がANA便を中心に空港業務全般を担っています。昨年はコロナ禍が明け、運航便数やお客さまが19年並みに戻ってきたと手応えを感じていますが、8月は台風6号による空港閉鎖で夏休み期間中のお客さまに大変ご迷惑をお掛けしました。

—特に注力しているポイントは。

 弊社では働きがい・働きやすさを重視した職場づくり、社員がライフステージに合わせた働き方ができる環境整備に力を入れています。6年前に空港内に保育士常駐の保育所を開設しました。全国の空港でも那覇と羽田だけの施設で、シフト勤務でも働き続けられるようサポートしています。また21年に「健康経営宣言」を発出し、グループ全体でのウオーキング大会や健康セミナーの開催、情報発信を行っており、23年度「がんじゅうさびら」表彰では事業所部門準グランプリを受賞しました。さらに24年4月から年間の公休を6日間増やします。

 女性の活躍推進にも力を入れており、男性比率が高いグランドハンドリング業務に女性が増えました。私も体験したのですが、貨物の積み下ろしなどもあり重労働です。技術革新やマニュアル・システムの見直しは、男性社員やシニア社員にもやさしい職場をつくります。沖縄は男性の育児休業取得率も60〜70%と高く、最小限の残業に向けた声掛けなども含め、ジェンダーレスな施策は女性だけでなくみんなにとっての働きやすさにつながるとあらためて感じています。各部署の管理職にも女性を積極的に登用することで後進の指導や相談事にきめ細やかに対応できています。男女問わず管理職チャレンジ制度・登用制度の試験の間口を広げてキャリアアップを後押しすると同時に、多角的な働き方改革につながっています。

 毎年100人前後の新入社員を迎えており、社の取り組みを周知することで自己実現・成長につなげ、長く勤めていただきたいと考えています。そのためにも社内での上下・横のコミュニケーションが非常に大切です。社員のワーク・ライフ・バランスを保って安心感を広げていきます。

—24年の抱負をお聞かせください。

 子どもたちの食を支援する「ランチサポート」に参画しており、全社挙げての献血活動は40年以上続けています。また周りを海に囲まれた沖縄での空路は公共性が高く、人や物の流れを生み出すことを通じて県民の皆さまに貢献できると考えています。

 コロナ禍では減便が続き、航空会社に未来はあるのかと悲観的な声も聞かれました。しかしようやく観光・ビジネス、修学旅行などの団体のお客さまが沖縄を訪れる「日常」が戻り、お客さまとお会いできる喜びを以前にも増して実感しています。今の空港の姿を見ると、「リアルな人とのつながり」への確かなニーズを強く感じます。人々のリアルな往来は、間違いなく経済を活性化させます。私たちは「一名・一個・一便」に強くこだわり、心を込めて県経済の発展に向けて今まで以上に尽力してまいります。