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アーケード内で縄跳び、20m走も 沖縄市の一番街にフリースクール「こてらす」開校


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アーケード内で子どもの20メートル走に隣の事務所のスタッフもお付き合いする=4月、沖縄市一番街(提供)

 【沖縄】「子どもが自分の個性を最大限に伸ばし、発揮できる環境づくり」を理念に掲げたフリースクール「琉究学舎こてらす」(翁長有希代表)が4月、沖縄市一番街にオープンした。入校生は3人でスタートした。アーケード内で縄飛びをしたり、元気に飛び回ったりする子どもたちの姿が人気となり、地域を活気づけている。

 「こてらす」は文科省が推奨する「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現を目指して開校した。キャリア教育コーディネーターとして公立学校のキャリア教育支援にも携わる翁長代表は(1)一生懸命遊び、遊びから学ぶ(2)熱中できるものから探究につなげ時代に対応できる最先端の学習法(3)地域や大人との関わり(4)社会がまるごと学び舎(や)―を教育目標に掲げる。「子どもが自身を幸せだと思える人生の選択を、両親が真剣に考えてのフリースクールでもある」と強調する。開校は就学を迎えた息子の存在が転機となった。

 当初、開校場所は自然豊かなやんばる地域も候補に考えたが、起業プログラムを学んだ一番街のスタートアップラボ「ラグーン」の存在と、ユニークなコザのチャンプルー文化や歴史が決め手となって、沖縄市を選んだ。商店街のスタッフらが子どもたちに気軽に声をかけ、福祉施設のラジオ体操に毎朝参加し、早くも商店街に和やかな雰囲気を広げている。「子どもたちの元気な声がうれしい」と、長年学校で読み聞かせ活動をしているアパレル店主が絵本の読み聞かせボランティアを申し出ている。翁長代表は「商店街の温かい見守りが何よりも心強い」と話す。

 那覇市からの通学者もいる。これまでに個人プロジェクト、週2回のランチづくり、スーパーでの買い物体験、商店街の方々にプレゼントするポップコーンづくりのほか、海や山、公園などでの野外活動も多彩に取り組んだ。夏休み期間中の特別プログラムも企画しており、参加者を募集中。問い合わせなどは「琉究学舎こてらす」のホームページから。
 (岸本健通信員)