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キリ学「観光文化学科」を新設へ、その狙いは 24年度 沖縄県内の私大で初


キリ学「観光文化学科」を新設へ、その狙いは 24年度 沖縄県内の私大で初 2024年4月に開設される観光文化学科について説明する沖縄キリスト教学院大学の金永秀学長(中央)ら=8日、西原町の同大学
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 西原町の沖縄キリスト教学院大学は2024年4月から、人文学部に観光文化学科を新設する。8日、学内で会見を開き発表した。入学定員は90人。同大によると県内私大で観光系の学科は他にない。学科開設について金永秀(キムヨンス)学長は「観光市場の労働者を輩出するということではなく、沖縄の伝統や文化の素養を身に付けた、沖縄の観光を開発していける人材育成をしたい」と述べた。

 新設の観光文化学科は(1)琉球・沖縄の歴史文化を中心としたアジア・世界の文化を学ぶ「文化資源領域」(2)ビジネスに必要な能力などを学ぶ「ホスピタリティ領域」(3)持続可能な文化・観光振興を学ぶ「持続可能領域」―の3領域を重視したカリキュラムになる。1~2年次で観光学のほか、歴史学や民俗学、琉球・沖縄の歴史文化を必修科目で学び、2年後期からの応用科目でさらに学びを深める。「理論と実践の融合」を目的に、2年次では短期海外研修が必修となる。

 学科長には名桜大、琉球大などで観光に関する授業を担当してきた平野典男教授が就任する。平野教授は会見で、新学科の名称を「観光文化」としたことについて「沖縄独自の文化や伝統を学び、県外や世界に発信することで将来的な保全・継承につなげることができる。自然資源に頼りすぎない、独特の歴史文化を大事にできる人材を育成したい」と説明した。

(嘉数陽)