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ウチナーグチが沖縄・嘉手納高校で正規科目に 「ゆんたくできるよう頑張る」2年生11人学ぶ


ウチナーグチが沖縄・嘉手納高校で正規科目に 「ゆんたくできるよう頑張る」2年生11人学ぶ 民謡やわらべ歌のお手玉遊びをしながらウチナーグチを学ぶ生徒たちと根間広人講師(右奥)=4日、県立嘉手納高校
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 【嘉手納】総合学科制をとる沖縄県立嘉手納高校(屋良淳校長)に、自由選択科目の語学系「ウチナーグチ」があり注目を集めている。ウチナーグチの普及が大きな文化・社会的課題にもなっている中、関係者は今後の成果に期待を寄せている。

 同校は国際人文、スポーツ、芸術文化、保育、情報ビジネス、福祉の六つの系列必修科目があり、さらに多種多様な分野の選択科目が用意されている。

 選択科目に七つの語学系があり、その一つが「ウチナーグチ」。本年は2年生11人が毎週2時間、学んでいる。5年前からの取り組みで現在は沖縄ハンズオンNPO(安慶名達也理事長)が派遣した根間広人さん(26)が講師を務めている。

 4日の授業は「はいさい。ゆたしくうにげーさびら」のあいさつで開始。その後、教室の床に座って円陣を作り、民謡「てぃんさぐの花」やわらべ歌に合わせたお手玉遊び、数字の数え方、仏前の重箱に盛る料理の絵合わせで具材のウチナーグチなどを学んだ。

 生徒はウチナーグチに接したばかりのため共通語を交えながら、笑いも起こる和やかな雰囲気で進行した。根間講師は旧暦のチェックも大切と指摘、「肝心(ちむぐくる)に響く黄金言葉(くがにくとぅば)も多い。ウチナーグチを絶滅言語にしてはならない」と生徒の関心に期待を込めた。

 選択した2年の佐藤美海(みみ)さん、天久優斗さんは「大好きな祖父母の影響。授業は楽しい。1年後にはゆんたくできるよう頑張りたい」と目を輝かせた。

 屋良校長は「総合学校の一番のメリットは時間割を自分で作ること。興味関心に合った授業を選択し、その経験を基に可能性を広げること。また地域との関わりも重視しており、ウチナーグチの科目もその一環」と、目標にチャレンジできる高校生の育成を目指していることを強調した。

 (岸本健通信員)