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GoogleがAIを強化 モバプリの知っ得[263]


GoogleがAIを強化 モバプリの知っ得[263] イラスト 小谷茶(コタニティー)
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Google(グーグル)は16日、高性能(こうせいのう)AIの大規模言語(だいきぼげんご)モデル「Gemini(ジェミニ)1.5」を発表しました。アプリなどを使って、スマホでも使用可能となっています。昨年、OpenAI社の「ChatGPT」が大きな話題となりました。グーグルも「AI競争」に本格的に参入した形となります。グーグル検索を使うような簡単な操作で、「アイデアを出して」などとAIに指示することができます。

「Gemini」の最大の特徴は、文章・写真に加えて、動画を読み込んでAIが回答する「マルチモーダル」の強さです。例えば、サッカーの練習動画を基に「どのような蹴(け)り方がいいか」などと質問ができ、より人間に近い回答を得ることができます。動画などから状況を分析し適切な判断を下すことは、今後自動運転などの技術に生かされると思われます。

便利な使い方などが期待できる一方、進化に伴い、新たなトラブルや問題が発生することも考えられます。例えば、AIで虚偽(きょぎ)の動画が作成され、戦争をあおるプロパガンダに利用されたり、有権者を混乱させるなど選挙で悪用したりすることです。テクノロジーによって何でもできるようになると、使う人の「倫理観」【※1】が重要となってきます。スマホで手軽にAIを使うことができても、「倫理観」は簡単に身に付くものではありません。ニュースで情報をチェックしながら、自分の使い方を考え続ける必要があるでしょう。

~ 言葉の解説 ~

※1 「倫理観」 … 一言でまとめると「人として守るべき考え」になるでしょうが、その中には「善悪の判断」「責任感」「誠実さ」「思いやり」など、さまざまな「考え」が入ってきます。時代によって求められる倫理観は変化するため、絶えず考え続ける必要があります。ユーザーだけでなく、AI開発企業にも倫理観が求められます。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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