警察庁は7日、SNSなどを入り口にだましてお金を取る「SNS型投資詐欺」と、外国人(あるいは外国に在住している)を名乗り恋愛感情からお金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の合計被害額が2023年で約455億円【※1】に上ることを発表しました。単純に計算すると、毎日1億円以上の被害が日本で発生していることになります。
SNS型投資詐欺の場合、まずはフェイスブックやインスタグラムなどで知り合いになり、約9割の人がLINEに誘導されます。その後グループLINEが作られ、投資に関する情報が飛び交います。グループのリーダー格である「先生」がオススメした情報をみんなで持ち上げ、信ぴょう性のある情報のように感じてしまいます。気が付いたら信用して大金を預けてしまい、結果的にお金が返ってこなくなってしまいます。
被害が広がる背景には、「(詐欺ではない)投資そのものを行う人が増えている」「SNS企業が投資詐欺を誘導する広告を掲載している」など複数の原因が考えられます。また、これからは生成AI技術が発展して、説得力のある魅力的な言葉がどんどん書き込まれたり、AIで作成されたリアルな動画や画像などで本当に大金がもらえるように錯覚してしまったりすることもあると思います。読者の皆さんが今すぐ投資詐欺にだまされる可能性は低いと思いますが、手口や状況を知っておけば、自分や大切な人を守れるかもしれません。「お金がもうかる」などのうまい話は絶対にありません。こうした広告に「ツッコミ」を入れるくらいの余裕を持っておきたいですね。
~ 言葉の解説 ~
※1 合計被害額が2023年で約455億円 … 恐ろしいのは、それらとは別にオレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害額も約441億円あることです。合計するとおよそ900億円に上ります。
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。