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オンラインでフリースクール 3社合同説明会 自分のペースで個性伸ばす


オンラインでフリースクール 3社合同説明会 自分のペースで個性伸ばす 「現代は働き方も多様になっている。学び方も一つでなくていい」と話すSOZOW代表の小助川将さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 不登校の小中学生が過去最多となる中、子どもたちがインターネットを通じて交流したり、自分のペースで学んだりできるオンラインフリースクールが注目されている。離島など、近くに通える施設がない子でも、自分に合った環境を見つけやすいのが最大の特徴だ。学習内容によっては、学校の出席認定を受けられるケースもあるという。
 3月、ビデオ会議アプリを利用してオンラインフリースクール3社の合同説明会が開かれた。不登校の子がいる保護者ら約80人が視聴する中、「夢中教室」「Branch」「SOZOW(ソーゾウ)」の各スクールが、学習のスタイルや利用者の声などを紹介した。
 文部科学省によると、2022年度の全国の小中学校における不登校者数は、過去最多となる約30万人。説明会を主催したSOZOW代表の小助川将さんは「いじめや人間関係の悩みだけでなく、『みんなで同じ事をする』学校教育そのものが苦痛で登校できなくなる子も多い」と指摘する。
 説明会に参加した九州の女性は、小学生の息子が学校教育になじめず、不登校になった。「5教科の勉強よりも経済の仕組みに強い関心を持っているが、学校ではそこを尊重してもらえなかった。本人の興味を否定せず、伸ばしてくれる場所を探したい」と話した。
 小助川さんは「オンラインフリースクールなら、子どもたちが好きなものを通じて全国の仲間とつながり、自由に活動できる」と話す。SOZOWスクールの小中等部には、現在約600人が在籍。バーチャルキャンパスで交流しながら、動画制作やゲーム大会の企画運営など、さまざまな活動に取り組んでいる。
 スクールでは、子どもの「好きなこと」を学びにつなげる環境づくりにも力を入れる。5教科だけでなくプログラミングやデザインなどを学べる講座があり「大人顔負けのデジタル技術を身に付けて、オリジナルのアニメを作っている子もいます」。活動内容をまとめたリポートを小中学校に提出すれば、出席認定を受けられる場合もある。
 東京都の離島に住む男子中学生も、スクールで出会った友人とイラスト制作などに打ち込む。父親は「学校には話の合う子がいなくてつらそうだったが、今は北海道や九州にも友達がいて、楽しそうに活動している。息子の世界を広げてもらった」と感謝した。