アメリカ・メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の元通訳、水原一平容疑者が大谷選手の銀行口座のお金をギャンブルに使っていた疑いがあるとして訴追(そつい)され、連日ニュースで取り上げられています。当初は「約6億7500万円」をギャンブルに使ったと報じられていましたが、実際は「60億円以上」も使っていたとのことです。あまりの金額にピンときませんが、改めてギャンブルの怖さを実感します。
ギャンブルにハマると脳内から「ドーパミン」【※1】という快楽(かいらく)物質が出ます。このドーパミンが依存の原因となり、一度ハマると簡単に止められなくなります。「その人の意志が弱いから依存する」のではなく、キッカケさえあれば誰でも依存してしまう可能性があるということです。そのため、現代の社会で必要なのは水原容疑者個人のバッシングではなく、ギャンブルや依存症に関する知識だと考えています。
こうした「ドーパミン」は、ギャンブルだけでなく「スマホゲームで有料のガチャを回し、欲しいキャラクターを当てた時」「オンラインゲームで強い相手に勝利した時」でも出ます。昨年、会社のお金を盗んで、1億2千万円分をゲームの課金に使った男性が逮捕される事件もありました。ゲームといえど、油断はできません。また、最近ではオンラインカジノをスマホで手軽にプレイできるようにもなっています(日本では違法です!)。ギャンブルや依存症の入り口は、思った以上に私たちの近くに存在するのです。
~ 言葉の解説 ~
※1 ドーパミン … 努力して何かを達成した時に出てくる物質がドーパミンなので、本来は悪い物質ではありません。「部活の練習を頑張ってレギュラーに選ばれた」「勉強を頑張って受験に合格した」時に喜ぶのはドーパミンの影響です。しかし、ギャンブルやスマホゲームなどは、頑張らなくても簡単にドーパミンが出ます。そのため、依存しやすく、私たちの生活の優先順位を大きく変えてしまうのです。
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。