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偏在解消狙い大学院 京都府立医大、北部で開講


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 京都府立医大は13日、府北部の与謝野町に新設した北部キャンパスで、地方勤務の医師を対象とした社会人大学院の開講式を開いた。過疎が進む府北部の医師確保や、医師のキャリア支援が狙いで、地域医療の抱える課題解決を目指す。
 加藤則人北部キャンパス長は開講式で、少子高齢化や医師偏在による医療アクセスの問題は世界的な課題とし「医学の常識や医療の在り方を変えてほしい」と話した。
 開講したのは「北部地域医学コース」。京都府でも医師が少ない中丹地域以北の病院に、3年以上勤務することが修了要件。北部医療センターにキャンパスを設置し、臨床の知見を得ながら公衆衛生などが学べる。
 府立医大は奨学金返還が不要となる代わりに9年間の地方勤務を義務付ける「地域枠」を設けている。だが、京都市に最も近い病院に卒業生の約半数が勤務する偏りや、義務年限を過ぎると辞める医師も多いなど、地域に定着しないことが課題だった。
 地域枠卒業生で入学した本田水月さん(29)は「臨床医として勤務する中で、解決すべきと感じていた課題を探求する場ができうれしい。医療格差の解消に貢献したい」と意気込んだ。