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「社会変えられる実感を」沖縄の3大学、SDGsで「共同科目」 琉球大、県立芸大、名桜大


「社会変えられる実感を」沖縄の3大学、SDGsで「共同科目」 琉球大、県立芸大、名桜大 SDGsについてオンラインで講義する玉城直美座長(右)。画面に映っているのは受講生ら=17日、西原町千原の琉球大学
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 学生に社会課題を解決する能力を身に付けてもらおうと、琉球大学、県立芸術大学、名桜大学は本年度、共同科目「SDGsと沖縄の未来探求」を開講した。県内11大学で構成する大学コンソーシアム沖縄が「SDGsプロジェクト」の一環で科目開発に取り組んだ。SDGs関連の科目は一部大学が単独で開講したことはあったが、3校共同の正規科目として実施するのは初めて。

 初回の講義は17日、オンラインで実施され、学生ら約40人が自宅や大学の講義室で授業に臨んだ。「持続可能な開発目標」というSDGsの観点から「世の中からなくしたいものを考える」というテーマでグループワークに取り組んだ。

 学生らからは多くの意見が上がり、男女格差、性差別、原子力発電所、食品廃棄、大気汚染、貧富の差、渋滞、交通事故などは、意識の変革や技術革新により実際になくせる可能性があるとした。

 講義は8月末までに全15回実施され、前半は県内のSDGsの取り組み事例を県庁や民間企業・団体の担当者らから学ぶ。後半は各大学ごとにチームを組んでテーマを定め、民間企業などと連携して社会課題解決につながる計画を練る。8月21日に琉大で成果発表会を実施する。

 講義を担当する県SDGsアドバイザリーボード会議の玉城直美座長は「若い人たちに、挑戦すれば実際に社会を変えられるということを知ってほしい」と意義を語った。

 県立芸大音楽学部4年の松本陽佳里さんは「沖縄の自然が好きなので、自分の力で環境問題を改善できるなら、授業を通して考えたい」と受講理由を説明した。琉大人文社会学部4年の竹内菜々さんは「1年のときからSDGsの視点を取り入れた環境活動に取り組んできた。沖縄で就職したいと思っているので、学んだことを引き出しに持った状態で社会に出たい」と意欲を語った。

 (外間愛也)