3月まで琉球大大学院教育学研究科教授だった下地敏洋さん(現・放送大学客員教授)がこのほど、老いの価値を探る教育老年学の入門書「教育老年学への招待 教員のための授業実践プログラム」を発刊した。高校や大学の授業で活用できる授業の実践例を紹介した。下地さんは「ライフイベントを学び、自分の人生を考えてもらいたい」と話している。
下地さんは祖父母の死をきっかけに老年学に関心を持ち、米国の大学院などで知識を深めた。高校教諭の経験もあることから、生徒らに老化の過程や人生設計を考えてもらおうと学校現場で活用できる入門書を作成した。
全150ページ。1こま50分、計19こまの授業の実践例を記した。「ライフイベント」「健康長寿とその要因」「生きがい」などの項目がある。各項目には、授業の到達目標や授業計画、クイズ、下地さんがこれまで研究で出会った60~90代のお年寄りのインタビュー記事を盛り込んだ。
入門書は県立高校や特別支援学校に寄贈した。非売品だが、関心のある人に提供する。6月8日と15日には琉球大で公開講座を開催する予定。問い合わせはshimoto@edu.u―ryukyu.ac.jp
(高橋夏帆)
有料
教育老年学「人生考えて」 下地元琉大院教授が入門書
この記事を書いた人
琉球新報朝刊