有料

「特別免許」要件緩和 運用指針を再改定へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文部科学省が、アスリートや博士号取得者ら専門性の高い人材に「特別免許」を与えて教員採用する制度の運用指針を改定し、教科全体に関する専門知識がなくても授与できることを明確化する。近く都道府県教育委員会に通知し、制度活用を促す。
 特別免許は、多様な人材を学校に呼び込むことを目的に、高い専門知識と技能を持つ社会人に教科を限定した免許を与える制度。授与権限は都道府県教委にある。五輪経験者が体育を、化学分野の博士号を持つ人が理科を、語学力の優れた人が英語を指導することなどが想定されている。文科省によると、自治体によっては、一つの競技で実績を収めたアスリートが保健体育全体に関する知識を持っているのか不安に感じて採用をためらうケースもある。
 新たな指針では、教科全体の専門性が必須ではないことや、他の教員と同レベルの指導力を過度に求める必要はないことなどを明記。従来指針と同じく、採用後の計画的な研修が重要だとした。
 文科省は2021年度にも基準を緩和しており、特別免許の授与件数は増加傾向にある。22年度は500件だったが、都道府県教委によって数十件から0件まで大きな差があることが課題となっている。