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那覇国際高で能動的学習 一部の授業 板書なし 生徒が教え合い発表


那覇国際高で能動的学習 一部の授業 板書なし 生徒が教え合い発表 互いに相談しながら課題に取り組む生徒ら =8日、那覇市天久の那覇国際高校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇国際高校が一部の授業で、生徒が能動的に考えて学習する「アクティブ・ラーニング」を取り入れている。教師が板書しながら一律の内容を教える「一斉授業」形式ではなく、生徒たちが与えられた課題を自分たちで考え、互いに教え合いながら学びを深めている。数学担当の山口勇一教諭と小松真澄教諭が受け持つクラスで実施しており「生徒が自ら考え、課題を解決する力を養う上で役立っていると感じる」と語る。
 山口教諭が教える3年生の選抜クラスで8日、「積分」の授業があった。授業では黒板を利用しない。授業開始の号令がかかると、生徒らはタブレットを利用し、互いに相談したり、インターネットで調べたりしながら問題を解いていく。
 しばらくすると「発表」の時間になった。タブレットの画面をスクリーンに共有し、生徒らが回答を記入していく。山口教諭は生徒らの書き込みを見ながら解き方のポイントを補足で説明する。答えを教えるのではなく、生徒らに考えさせることを大事にする。
 山口教諭は教科書の全ページをはじめ、同校で学ぶ数学の全範囲を手書きで解説した「先生ノート」をインターネットのクラウド上で共有している。生徒はいつでもノートにアクセスできるため予習等でも活用でき、能動的な学びの促進につながっている。
 授業中は板書の内容を書き写す時間を省き、問題の演習と発表に充てる。互いに教え合って分からない部分を補い、発表するために学んだ内容を整理し、ほかの生徒の解き方も習得する。
 授業を受けている岩﨑丈一郎さんは「グループで相談して分からない部分は一緒に考えることで、学ぶ力が付いてきた。他の人の発表を聞いていろんな解法を共有できるのもいい」、伊波楓夏さんは「自分たちで取り組むことで自主性が身に付いたし、意欲的に取り組めるようになった」と良さを強調した。
 山口教諭は「今後も試行錯誤しながら、生徒にとってよりよい授業を模索したい。それぞれの先生が創意工夫しながら、主体的、対話的で深い学びを実践することが大切だ」と意欲を見せた。
 (外間愛也)