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コノハチョウ 本で理解を 陽心会・高良理事長 県内全学校522校に寄贈


コノハチョウ 本で理解を 陽心会・高良理事長 県内全学校522校に寄贈 「コノハチョウ自由研究」の贈呈報告で半嶺満県教育長(前列中央)を訪れた大城安弘会長(前列左)と照屋周事務長(前列右)=5月28日、県教育庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 医療法人陽心会大道中央病院の高良健理事長(首里城下にチョウを翔ばそう会顧問)はこのほど、翔ばそう会の大城安弘会長が著した「コノハチョウ自由研究」を県内の小中高校、特別支援学校計522校に1冊ずつ贈った。児童生徒に県の天然記念物のコノハチョウの理解を深め、生息環境の保護や整備について考えてもらおうと寄贈した。5月28日、県教育庁で贈呈報告会があった。
 コノハチョウの成虫は、羽の表面が光沢のある青紫色、裏面は茶褐色で枯れ葉に似た紋様をしている。大城会長が那覇市の漫湖公園内にあるちょうちょガーデンで5年間飼育・調査し一冊にまとめ、2021年に発刊した。
 本には、コノハチョウの食草や繁殖・生息するための条件の他に、枯れ葉のように擬態する理由が記されている。大城会長は「羽の表と裏で全く色が違う。(色鮮やかな羽色は)捕食者の小鳥に見つかりやすい。なぜ両面持つのか本で説明した」と語った。
 高良理事長の代理で県教育庁を訪れた大道中央病院事務長の照屋周さんは「チョウの環境保全を子どもたちと考えていければうれしい」と述べた。半嶺満県教育長は「専門的な内容ながら写真資料が盛り込まれていて、読みやすくて理解しやすい。学校教育でしっかり活用する」と感謝した。
 贈呈報告では、翔ばそう会から県教育委員会へ、オオゴマダラのさなぎの寄贈もあった。  (高橋夏帆)