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成績が上がらないのはなぜ<キムタツチャンネル>9


成績が上がらないのはなぜ<キムタツチャンネル>9 木村達哉先生
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Q.どうして成績が上がらないんでしょうか?

A.勉強を継続しないから

 成績が上がる前に勉強をやめてしまうからです。あるいは勉強をしていないからです。勉強法が間違っているんじゃないかと思う方もおられるでしょうが、それは違います。

 灘校で23年間、その前は西大和学園で10年間、教鞭を執りました。どちらも毎年数十人が東京大学に合格する超進学校です。そんな学校でも成績が上がらない生徒がたくさんいます。保護者面談をすると、成績の悪い生徒の親御さんは、「勉強法が分かっていないんじゃないでしょうか」「勉強法が間違っているんじゃないでしょうか」などとおっしゃいます。僕はそのたびに、「勉強法が間違っているって言うほどこの生徒は勉強していません」と答えていました。保護者は、「まぁそうですよね」という顔をされていました。

 これだけの情報化社会です。高校生の多くがスマホを持っている時代です。SNSやYouTubeでは多くの人たちが勉強法を提供しています。かく言う僕もキムタツチャンネルで英語の勉強法について話をしています。つまり、どうやって勉強したらいいのかを知らないヒトはいません。

 成績が上がらない生徒は、成績が上がるほど勉強を継続していないのです。つまり、勉強をしていないのです。もしかしたら試験前には少し勉強のようなことをしているのかもしれませんね。でも、それは勉強ではなく、試験対策ではないでしょうか。対策は勉強ではありません。勉強をして、しっかりとチカラを付けて、自分のレベルを高めて、その上で直前に対策を少しするのであれば分かります。普段の勉強をしないで直前対策ばかりやっているのは、普段の練習を一切しないのに試合前だけ必死になるスポーツ部員と同じです。勝てるはずがありませんよね。

 成績を上げるために大事なことは、以前のこの紙面でも書きましたが、自習です。授業で先生のおっしゃることを聞いて理解するのは大切ですが、だいたい数時間もすれば忘れてしまうはずです。塾に行っても同じことです。授業が終わってからどれだけ自習時間を作るかが成績を上げるために最も大切なことです。

 逆に言えば、家庭で自習ができていない生徒が成績を伸ばすことはありません。苦手な教科を毎日30分でいいから勉強してみてください。あきらめなければ必ず成績は上がります。保証します。

(2023年11月12日付りゅうPON!掲載)