円安や物価高の影響で海外への語学研修旅行が難しくなっている状況を打開しようと、那覇市にある那覇西高校(仲吉健一校長)が本年度から国内の施設を利用した語学研修に取り組んでいる。同校国際人文科の2年生78人が5月11~13日、全て英語での研修が受けられる福島県の「ブリティッシュヒルズ」を訪れ、研修に臨んだ。県教育委員会の担当者によると、このような形の語学研修を実施しているのは、把握している範囲では同校のみという。
ブリティッシュヒルズは神田外語大学・神田外語学院を運営する学校法人が、国内で英国文化を体験できる施設として設立した。「パスポートのいらない英国」がキャッチフレーズで、建物やインテリアなども英国を再現したつくりになっている。
生徒らは3日間、研修中の会話は全て英語を使い、ディスカッションの実践、海外旅行の模擬体験、イギリスの歴史や食事のマナーの学習などに取り組み、多くの知識を習得した。
31日に那覇西高校で事後学習があり、生徒らはグループごとに語学研修で学んだことをまとめ、1人ずつ発表した。「分からなくても積極的にコミュニケーションすることの大切さを感じた」「研修前より英語の力がついた」など、前向きな意見が出された。
當間梨亜奈さんは「間違いを恐れず、積極的に英語で話すことの大切さを実感した」と感想を述べた。仲里心佑さんは「文法通りではなくても、単語でも自信を持って話すことで伝わる部分があった」と学びを深めていた。平田一真さんは「積極的に楽しむことの大事さを学べたので、進学や就職でもそこを生かしたい」と将来を見据えた。
引率した古謝まき教諭によると、コロナ禍で2019年を最後に海外での語学研修に行けなくなり、近年は費用高騰も重なる中、生徒らに本場の英語を体験させる方法を模索してきた。「研修後、生徒たちの積極的に英語を使おうという意識が高まっていると感じる。今後も研修のあり方について、工夫しながら考えていきたい」と語った。
(外間愛也)
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まるで英国、国内語学研修 那覇西高 円安、物価高で代替策 福島県「ブリティッシュヒルズ」
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琉球新報朝刊
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