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不登校、特別じゃない 那覇で講演 識者ら心構え語る


不登校、特別じゃない 那覇で講演 識者ら心構え語る 心に必要な四つの栄養素について説明する佐野友美さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 不登校について考える講演会「今日からひとりで悩まない~不登校からはじまる、いきかた選択肢」が6月12日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。自らも子の不登校で悩んだ元教員や海外で心理学を学んだ専門家が登壇し、不登校は特別ではなく誰にでも起こり得ることや、その際の心構えや必要な対応などについて語った。
 元教員の普天間みゆきさんは5人の子ども全員が一定期間不登校になった経験から「最初は受け入れられなかったが、次第にこれは誰もが通る道だと感じた。一番大切にするべきは子どもの気持ちであり、そのために何が最善かを考えることだ」と訴えた。
 普天間さんの長女は不登校がきっかけでフリースクールに通い、その経験から留学をして現在は海外で看護師として働いているという。「不登校がきっかけになることもある。うまくいかない場合もあるが、それも経験。いろんな所とつながることで道は広がる」と語りかけた。
 佐野友美さんは、子どもの心が元気になる社会づくりを目指し、海外で心理学を学んだという。心に必要な四つの栄養素として(1)人とのつながりや居場所を感じられる(2)自分の能力を信じられる(3)自分の価値を感じられる(4)困難を自分で乗り越えられると思える―と紹介した。
 佐野さんは「自分なりの結論として、心を育てることが大事だと考えている。四つの栄養素を満たせば心が元気になる。どの子も必ず輝ける」と強調した。  (外間愛也)