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教員不足「悪化」3割 24年度開始時点、依然厳しく


教員不足「悪化」3割 24年度開始時点、依然厳しく 教員不足に関して1年前と比べた状況
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2024年度開始時点で公立小中高校などの教員不足の状況が1年前より「悪化した」と回答した都道府県・政令指定都市教育委員会が32%に上ることが8日、文部科学省の調査で分かった。
 23年度調査より減少したが、文科省は依然厳しい状況と分析。教員免許を持ちながら教職に就いていない人向けの研修会の開催や、正規教員の計画通りの採用を求める通知を9日、各教委に出した。
 教員不足は、病休や産休で生じた欠員を埋めるための非正規講師らが見つからないことなどで生じる。文科省の集計では、21年度当初に全国で約2500人が不足した。
 文科省によると、調査対象の68教委(大阪府豊能地区教職員人事協議会を含む)のうち、教員不足の状況が1年前より「改善した」と答えたのは11、「同程度」は35、「悪化した」は22。23年度調査では「改善」が11、「悪化」が29だった。
 文科省は教員不足悪化の一因に、23年度から始まった地方公務員の段階的定年引き上げへの対応を挙げる。対象者の意向把握が不十分で想定以上の退職者が出た教委では、穴埋めに非正規講師を年度当初から充てざるを得なかったという。
 そのため文科省は通知で、対象者が勤務継続か退職かの確認を適切に行うよう求める。一方で、教員免許保持者を掘り起こす研修会を実施することなどは、不足改善の効果があるとした。