持続可能な開発目標(SDGs)に関連するさまざまな課題について学ぼうと、琉球大学、県立芸術大学、名桜大学が3校で開発した共同科目「SDGsと沖縄の未来探求」の成果発表会が8月21日、西原町の琉大で開かれた。受講した学生たちは、環境問題や性の多様性、沖縄戦などのテーマを設定し、県や企業と連携。発表会には学生や関係者ら約70人が出席し、7グループが個性豊かなプロジェクトを披露した。
環境問題をテーマにした3グループは、産業廃棄物処理やリサイクル事業に取り組む「街クリーン」から学び、計画を進めた。名桜大のチームは、廃棄物を活用してキーホルダーなどを作る子ども向けのワークショップを提案した。
県立芸大のチームは、ペットボトルなどを楽器にして演奏する様子を撮影し、会場で流した。発表後、県立芸大4年の松本陽佳里さん(22)は「環境と音楽を結びつけるのが難しかった。環境問題は自分の将来に関わることなので、取り組めて良かった」と話した。
LGBTQ(性的少数者)の理解促進をテーマにした名桜大のチームは、琉球放送と連携し、幼児向けの紙芝居を作成。県の「美ら島にじいろBOOK」の改善も提案した。琉大のチームは沖縄タイムスと連携し、沖縄戦体験者の動画を作った。
子どもの権利をテーマにしたのは2チーム。琉大のチームは、校内探索をするなど、子どもたちの興味を引き出す参加型の授業を提案した。
県内11大学で構成する大学コンソーシアム沖縄が「SDGsプロジェクト」の一環で科目を開発。講師は「うなぁ沖縄」代表の玉城直美さんが務め、講義は全15回開かれた。前半に県や民間企業の担当者らからSDGsの取り組み事例を学んだ。その後、大学ごとにチームを組んでテーマを定め、課題解決につながる計画を練った。
名桜大学1年の知念莉子さん(18)は、「自分たちの計画がこんなに目に見える形になると想像していなかったので、頑張って良かった。先生方が企業・現場の人とつないでくれたおかげだ」と感謝し、「今後も自分にできることを考えながら活動していきたい」と語った。
(前森智香子)