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あしなが奨学金、半数不採用 沖縄県内、応募増え追いつかず 給付型移行と物価高騰が影響


あしなが奨学金、半数不採用 沖縄県内、応募増え追いつかず 給付型移行と物価高騰が影響 学校(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城 文

 親との死別や、親に障がいや病気のある子どもを支える「あしなが育英会」(東京)の高校生向け奨学金の採用率が、2024年度は全国で44・1%と半数を下回っている。県内でも73人のうち、35人は不採用となり採用率は52・1%となった。応募者が増え、採用が追いついていないという。育英会が行ったアンケートでは、奨学金を受けても、94%の人が物価高の影響で「生活が苦しくなっている」と回答した。

 24年度の高校奨学金の申請者数は、全国で3487人で過去最多となった。街頭募金などの努力で、当初より250人ほど採用枠を増やしたものの、それでも半数以上の申請者が不採用となった。

 育英会によると、23年度に返還不要の給付型に変更したことも申請数の増加につながった。県内では22年度の採用率は75%だったが、申請者が増え23年度は47・3%まで低下。さらに「物価高騰が続き、これまで借り控えしていた人も借りざるを得ない状況になっている」と指摘する。

 今年7月、育英会が保護者5179人を対象に行った緊急アンケートでは、収入が減少もしくはさほど変わらないため、94・2%の人が「物価上昇をカバーできていない」と回答した。

 自由記述では、県内の保護者から切実な声が寄せられた。50代の父親は「外食はせず、洋服も3年間購入していない」、40代の母親は「成長期の子に必要な食品を購入できていない」と訴えた。「一番大事な食費を削るしかない。どう生きればいいのか」(50代母親)との声もあった。

 (玉城文)