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父亡くし「あしなが奨学金」学びの支えに 奨学生の親川さんら19日から街頭募金 「制度を知る機会に」 沖縄


父亡くし「あしなが奨学金」学びの支えに 奨学生の親川さんら19日から街頭募金 「制度を知る機会に」 沖縄 「奨学金を多くの人に知ってもらいたい」と力強く語る親川成さん=9日、西原町の琉球大学
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城 文

 あしなが学生募金の街頭募金が19日から始まる。県内では那覇市の国際通りのれん街で行われる。自身も奨学金を受けて琉球大学に通い、あしなが学生募金事務局の沖縄ブロックマネジャーを務める親川成さん(21)も街頭に立つ。親川さんは「困っている人に、奨学金の制度を知ってもらえる機会にもなれたら」と話す。

 親川さんは高校2年生の頃、父親をがんで亡くした。当時はコロナ禍で面会もできなかった。父親を失った精神的ショックを受けたのと同時に、希望していた大学進学がかなうかの不安に襲われた。「喪失感でぽっかり心に穴が空いた」という。

 そんな時、母親や高校の先生が、さまざまな奨学金制度を調べてくれた。入学資金もその一つで賄われ、進学後はあしなが育成会の奨学金を受けられることを知った。「経済的不安が解決し、勉強に集中することができた」と振り返る。

 周囲にも経済的に不安を抱えている人がおり「返せるか心配で、借り控えしている。私たちの活動を通して奨学金のハードルを低くできたら」と願う。

 奨学金を受けても、経済的に困窮する人たちが大勢いることを、育英会が保護者を対象に行った緊急アンケートで知った。アンケートによると、全国では1日3食食べられない人や、冷房を使えず熱中症になった人、がん治療を控えステージ4になった人もいるという。育英会は「この苦境に目を向けてもらい、困窮世帯が見捨てられない社会になってほしい」と訴える。親川さんは「苦しむ人たちのために募金活動をしたい」と力強く語った。

 募金活動は20日と27日にも実施する。時間は正午~午後6時。集まったお金はあしなが育英会に寄付する。

 (玉城文)