琉球・沖縄の歴史を分かりやすく学べる動画教材の制作を目指し、県小中学校歴史教育研究会(屋比久守会長)は31日、制作資金を募るクラウドファンディング(CF)を開始する。アニメや実写を織り交ぜ、県内の小中学生だけでなく県外の修学旅行生や海外に住むウチナーンチュも学べる教材を目指す。同研究会副会長の山内治教諭は「沖縄の歴史や文化の素晴らしさを世界のウチナーンチュの方にも知ってほしい」と話す。
教材は琉球・沖縄の歴史を分かりやすく学べるよう制作する。「琉球・沖縄のあけぼの」から「琉球王国の終焉(しゅうえん)」までを、30分程度のダイジェスト版にする。来年1月から制作を始め、2026年秋に県内全小中学校への無償配布を目指す。
研究会は小中学校での沖縄の歴史教育の普及・継承の支援を目的に、22年に退職教員が中心となって発足した。
公立小中学校の教員対象の調査で地域の歴史教育が不足し、授業で沖縄の歴史を体系的に学ぶことが困難な実態が浮き彫りになっており、活動の柱の一つとして動画教材の制作準備を進めてきた。ダイジェスト版を学校に配布し、現場の意見や要望を反映して27年から本編の制作に取りかかる予定。沖縄大学客員教授で沖縄歴史教育研究会の顧問を務める新城俊昭さんらが監修協力をする。
CFは、ウェブサイト「キャンプファイヤー」で実施。募集期限は来年1月17日で目標金額は300万円。詳細はQRコードから。
(高橋夏帆)