真喜屋、冷静保ち国体初V レスリング成年97キロ 鶴田、仲泊は3位に 茨城国体


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成年男子グレコローマンスタイル97キロ級決勝 バックを取り背面へ投げポイントを奪う志喜屋正明(青)=10月1日、茨城県水戸市のアダストリアみとアリーナ(新里圭蔵撮影)

 第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」第4日は1日、茨城県内各地で競技を行った。レスリンググレコローマンスタイルは成年男子の97キロ級決勝で志喜屋正明(浦添工業高―国士舘大出、自衛隊体育学校)が7―1で塩川(長野)に勝利し、優勝した。同87キロ級の鶴田峻大(沖縄尚学高、自衛隊体育学校)と少年男子65キロ級の仲泊勇之介(北部農林高)は準決勝で敗れ、3位だった。新潟から出ている成年男子72キロ級の島袋慶生(浦添工―日体大、新潟県央工高教諭)は準優勝。ゴルフは成年男子個人で富本虎希(興南高―大阪学院大)が通算143で8位入賞で終えた。団体は成年男子が452点で13位、少年男子が457点で14位、女子が451点で26位だった。自転車の男子団体追い抜きは4分35秒257で27位だった。

◆五輪見据え技試す

 グレコローマン97キロ級で天敵の奈良勇太が欠場し「この階級で2番以下にならないプライドがある」と志喜屋正明(浦添工高―国士舘大出、自衛隊体育学校)は冷静だった。

 決勝戦。首相撲で互いの姿勢を崩し合う中、最初に志喜屋が警告を受けてパーテレポジションの下になるが、落ち着いていた。「この大会では交互にパーテレがくる傾向がある。余力を残すため防御で力を使い切らない」。ぬれた布のように適度に力を抜いてマットと密着すると、体の下に相手の腕を入り込ませない。やり過ごした後は、好機を待った。

 後半、パーテレで相手が下になる。志喜屋と対照的に全身に力をみなぎらせる相手。やすやすと手足を滑り込ませ、てこのように相手を持ち上げ、投げに成功。これまではパワーでローリングに持ち込んだが「手足の長い外国勢には通用しない」と、最初から投げを決めるつもりだった。

 6月の全日本選抜選手権で2位入賞したことで一皮むけ、試合中も俯瞰的に戦況を分析できるようになったという。「天皇杯がメーンなので今回はいろいろ試す場。多くの技ができた」と内容にもこだわった。

 1週間のオフを経て、年末の天皇杯へハードな日々が始まる。年末年始は五輪に向けた強化合宿だ。国体で多くの技を試したが「全然大丈夫。相手が自分を研究して警戒すればするほど、逆をつける。問題ない」と余裕の表情だ。

 国体の成年男子では初優勝。優勝した時だけ親に電話することにしている。「国体で優勝できていなくて、そろそろ怒られそうだったし、親にもしっかりやっていると報告ができますね」と、少しおどけてみせた。
 (嘉陽拓也)

(アダストリアみとアリーナ)
▽成年男子グレコローマンスタイル87キロ級準決勝
阪部創(和歌山・自衛隊) 5―3 鶴田峻大(自衛隊)

▽同グレコローマンスタイル97キロ級準決勝
志喜屋正明(自衛隊) 2―1 天野雅之(福岡・中大職)

▽同決勝
志喜屋正明(自衛隊) 7―1 塩川貫太(長野・クリナップ)

▽少年男子グレコローマンスタイル65キロ級準決勝
矢部晴翔(山梨・韮崎工高) フォール58秒 仲泊勇之介(北部農林高)

▽成年男子グレコローマンスタイル72キロ級準決勝
島袋慶生(新潟・新潟県央工高教) 7―3 瀬野(愛知・ゴールドキッズ)

▽同決勝
山本貴裕(山口・日体大大学院) 4―1 島袋慶生(新潟・新潟県央工高教)