キャンプ経済効果、過去最高の141億円 有名選手やファンサービスで観客数増


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は3日、2019年春の県内プロ野球キャンプの経済効果について、前年比14・9%増の141億3100万円で過去最高を更新したと発表した。注目選手の参加や、SNSを活用したファンサービスの発信によりリピーターが増えたことなどで、オープン戦を含む延べ観客数は同8・2%増の約40万8千人と初めて40万人を突破した。

 県外からの観客数は同9・5%増の約9万2千人と推測される。

 県内でキャンプを実施した国内のプロ野球球団は18年と同数の9球団で、選手や球団関係者は合計約1080人だった。日本ハムの吉田輝星投手ら注目選手が多かったことや、18年までリーグ3連覇を果たした広島、原辰徳監督が復帰した巨人がキャンプを実施したこともあり、報道関係者や解説者は前年比約400人増の約2500人となった。

 経済効果のうち直接支出額は92億8千万円で、県外からの観客が多かったことから宿泊費が28億1600万円、飲食費が20億1700万円、土産品・グッズ購入が15億6900万円、交通費が13億1900万円などとなった。

 一方で、日韓関係の悪化により韓国球団が県内でのキャンプを中止する動きがあり、来年の観客数に影響する可能性があるという。

 りゅうぎん総研の担当者は「観客数を増やすのはもちろん、いかに消費する単価を増やし、県内にお金が落ちるようにしていくかが重要になる。行政だけでなく民間も積極的に関わっていく必要がある」と話した。