泥んこ厄払い 宮古島市平良島尻のパーントゥプナハ


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親子に泥を塗りつけて厄払いするパーントゥ=4日、宮古島市平良島尻

 【宮古島】仮面をかぶった異形の神が人や物に泥を塗って厄払いする、宮古島市平良島尻の伝統行事「パーントゥプナハ」が4日、同集落で行われた。昨年11月に伝統行事「来訪神 仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録されてから初めての開催。地域住民や観光客、報道関係者など多くの人が駆け付け、集落には子どもたちの悲鳴と大人たちの笑い声が響き渡った。行事は5日にも行われる。

 島尻のパーントゥは国指定重要無形民俗文化財で、昨年11月には秋田県の「男鹿のナマハゲ」などとともにユネスコ無形文化遺産に登録された。行事は毎年旧暦9月ごろにある。

 3体のパーントゥは集落の外れにある「ンマリガー(生まれ井戸)」から登場し、午後5時すぎには集落に姿を現した。待ち受けていた子どもたちや観光客から「来た来た」と歓声が上がった。怖さに泣き叫んで逃げる子ども、喜んで自ら駆け寄る観光客、カメラを構えていた報道陣など、パーントゥは集まった多くの人たちの顔や洋服に容赦なく泥を塗りつけながら集落を練り歩いた。

 市平良に住む兼次孝彰さん(47)は昨年に引き続き家族5人で訪れた。孝彰さんは「子どもたちは怖がってるが、泥を塗ってもらって今年も元気に育つと思う」と笑顔。息子の祐輝ちゃん(5)は「去年は泣いたけど、今度は泣かなかった」と“ドヤ顔”で話したが、パーントゥが近づいて来ると物陰に隠れた。