米軍に本部港使わせない 本部町で緊急集会


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本部港の米軍使用阻止を誓ってガンバロー三唱する集会参加者=8日夜、本部町渡久地の町営ホール

 【本部】米軍が訓練のため本部町の本部港から救助ボートを出港させることを通告していた問題で8日夜、緊急町民集会「米軍に本部の港を使わせない!」(同実行委員会主催)が町渡久地の町営ホールで開かれた。町内外から約180人が結集。「主権者の意思を無視した米軍船舶の民間港使用強行は許されない」とする決議を採択した。

 在沖米海兵隊は9月10日、「伊江島補助飛行場での訓練のために必要」として同17、21の両日に本部港を使用することを本部港管理事務所に通告。県の自粛要請を無視して17日、本部港ゲート前まで小型船を運搬したが、市民の抗議により使用を断念した。集会は「再度使用する可能性がある」として計画した。

 集会では実行委の上間一弘代表が、1980年代に町内で持ち上がった防衛省のP3C送信基地建設計画を住民の抗議で断念に追い込んだ例に触れ、「黙っていては権力者の思うつぼ。みんなが集まって『ならんどー』と声を上げることが大事だ」とあいさつした。

 本部町島ぐるみ会議の平良昭一共同代表は、非核三原則を根拠に米軍艦の入港を拒んだ神戸港を例に挙げ「生活に弊害が出るような状況がある場合、港湾管理者は堂々と拒否することができる」と訴えた。仲宗根須磨子町議は、120人が抗議した9月17日を振り返り「いったん許せば、これから生まれる命や人権が脅かされる」と強調した。決議文は近日中に在沖米四軍調整官、在沖米総領事、沖縄防衛局に提出する予定。