社会

結核新治療へ資金募集 琉大公認で初、松﨑教授たちの研究チーム

結核の新たな治療法確立を目指す琉球大学熱帯生物圏研究センターの松﨑吾朗教授(右)と高江洲義一准教授=9月3日、西原町の同大

 琉球大学熱帯生物圏研究センターの松﨑吾朗教授と高江洲義一准教授の研究チームは2日、結核の新たな治療法としての免疫療法の確立を目指すため、学術系クラウドファンディング「academist(アカデミスト)」で研究資金の募集を始めた。同大初の公認クラウドファンディングとなる。

 松﨑教授らによると、結核には抗菌薬による治療が有効だが、不適切な使用などが原因で薬への耐性を獲得した多剤耐性結核菌が世界の一部の地域で増加し問題となっている。日本では耐性菌による結核は少ないが、観光客の増加などに伴い海外から侵入する恐れもある。免疫を活用した新たな治療法が確立されれば、結核治療の進歩に大きく貢献するものと期待される。

 結核菌は免疫細胞の一つであるマクロファージの殺菌作用を抑える病原因子を作り出し、細菌に対抗するはずのマクロファージ内で増殖する。松﨑教授らは病原因子の働きをブロックし、マクロファージの機能を強めることで結核菌の排除を目指す。現在、複数ある病原因子の一つに着目し、詳細を分子レベルで追究中。この病原因子に結合して作用を抑制する特殊なタンパク質を作り、結核菌に対する免疫応答を増強することを実証する計画だ。

 クラウドファンディングの実施期間は10月30日まで。1口千~3万円で、目標金額は75万円。支援額に応じて、研究リポートや蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真提供などのリターンがある。

 9月12日現在、25人から約24万円の支援金が集まった。松﨑教授は「社会と一緒に課題を解決していけるという感覚がある」と、クラウドファンディングで研究費を募る意義を強調した。問い合わせは(電話)098(895)8036(琉球大学総合企画戦略部研究推進課共同利用施設係)。