生涯現役社会の働き方とは… 日本私立学校振興・共済事業団理事長の清家篤さんが提案する施策は


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清家 篤さん(日本私立学校振興・共済事業団理事長)

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社社長)の10月定例会が9日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれた。日本私立学校振興・共済事業団理事長の清家篤氏が「生涯現役社会実現のための働き方改革」と題して講演した。

 日本は2060年に65歳以上の高齢者人口比率が約40%となり、65~74歳の高齢者に比べ75歳以上の高齢者人口が2・07倍になる。ヨーロッパなどと比べ2~4倍以上のスピードで高齢化が進行しているという。

清家篤氏の講演に耳を傾ける琉球フォーラムの会員ら=9日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル

 少子高齢化で労働力人口が減少して生産、消費、社会保障の支え手が減少するとして「高齢者などの労働力を十分に活用すれば、労働力人口の減少ペースを緩やかにできる」と話した。

 高齢者の生涯現役の実現に向けて、大部分の会社が採用している60歳での定年退職制度が阻害要因になっていると指摘した。職業寿命を長くするために、予防医療の充実などで健康寿命を延ばすことや、新しい知識や技術を身につける職業訓練など、能力開発制度の仕組みを構築する必要があると提言した。

 清家氏は「健康への投資によって職業寿命が延びれば、社会保険料や所得税を支払う人が増える。支え手を増やすという攻めの社会保障改革が必要だ」と話した。