事故後も悪化の一途 米軍機騒音は過去最多ペースで推移 東村高江


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2017年10月に米軍ヘリ不時着・炎上事故が発生した東村高江で、米軍機による60デシベル以上の騒音回数が増加し続けている。沖縄防衛局による最新(19年4~7月)の騒音調査で、同区牛道で午前7時~午後7時に記録した騒音が2365回と過去5年の同期間で最多を記録した。年間最多の5327回を記録した18年度同期間(1531回)の約1・5倍と大幅に上回った。このまま推移すると年間でも過去最多となる可能性がある。住民からは「悪化する一方だ」「不安が尽きない」などと憤りと不安の声が上がる。

 昼夜問わず繰り返される騒音は学びの場にも影響を及ぼす。高江小学校では米軍機が通過すると「うるさい」と耳をふさぐ子どもたちの姿が日常になっていた。教諭の花城裕介さん(33)は「騒音で授業を中断することもある。飛行音が響くたびに恐怖を感じる」と不安を訴えた。

 高江区の騒音は米軍北部訓練場のヘリコプター発着帯(ヘリパッド)建設でN4地区が米軍に提供された15年2月以降、激化している。防衛局による調査では14年度(午前7時~午後7時)に牛道で記録した年間の騒音は1280回、提供後の15年度には3686回と約3倍になり、以降も16年度5223回、17年度4496回、18年度は最多の5327回を記録した。

 東村や高江区は、住民生活に影響が出ないよう集落上空の低空飛行中止などを再三、米軍や政府に求めている。高江区の仲嶺久美子区長(69)は「事故後も訓練は続き、昼から夜中まで騒音に悩まされている。状況は改善されず悪化する一方で、住民の不安は尽きない」と訴えた。