【記者解説】バス通学無料化 予算規模、財源は不明 対象を限定する可能性も


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 玉城デニー知事は中高生のバス通学の無料化を2020年度にも実施する方向性を打ち出したが、現時点で何人の中高生がバス通学をしているのかは調査中で分かっておらず、予算規模も不明だ。財源の確保や無料化した場合の運賃の補助方法など、具体的な議論はこれからだ。

 県教育庁が本年度実施しているのは調査事業で、集計は11月末までかかる。質問は通学方法や通学費、バイトをしているかなどの基本的な項目に加え「通学費の補助があったらバイトの時間を減らせるか」などの項目も含まれる。現在はバスを利用していないが、補助があればバスを利用したいと考える潜在的な利用者も明らかになる予定だ。

 県教育庁の担当者は「始めたらやめるわけにはいかない」と話しており、財源の確保は重要な課題だ。玉城知事は「持続可能な支援のあり方を検討する」とも述べており、対象となる生徒を絞ることも想定しているとみられる。その場合、対象の線引きをどうするかなど、難しい課題が残る。
 (稲福政俊)