住民投票へ行動継続 石垣・陸自配備計画 求める会 市提訴の経緯説明


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ユーモアを交えて行われた住民投票実施を求めて提起された訴訟の報告会=9月26日、石垣市大川の結い心センター

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票実施を求めて市を提訴した市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)は9月26日、市大川の結い心センターで提訴の報告会を開催した。100人を超える市民が参加し、求める会のメンバーや弁護団による訴訟に至った経緯や訴えのポイントの説明に熱心に耳を傾けた。

 住民投票を求める会は19日に住民投票実施を命じるよう求める義務付け訴訟と、判決までの間、暫定的に住民投票実施を義務付けることを求める仮の義務付けを申し立てた。報告会では住民投票を求める会がユーモアを交えながら、訴訟に至る経緯を紹介。弁護団が訴えのポイントを説明した。

 住民投票を巡っては、市議会が否決した市内有権者の約4割に当たる1万4263筆の署名で行われた直接請求の有効性を巡って、市と求める会とで解釈が対立している。

 市は直接請求が地方自治法に基づいており、市議会が否決したため効力は失われたとの立場だ。一方で求める会は、有権者の4分の1超の請求で市長に住民投票実施を義務付ける市自治基本条例が適用され、市議会の判断にかかわらず、市長には実施義務があるとする。

 報告会で弁護団の大井琢弁護士は「(直接請求の)入り口は一つであり、自治基本条例の要件は満たしている。市の主張は『やりたくないからやらない』という理屈の中で出ていると理解しており、無理がある」と指摘した。仮の義務付けの判断が下されるのは「年内を目安にするのではとイメージしている」とした。

 中村昌樹弁護士は「訴訟だけでは世の中は変わらない。皆さんが関心を持ち続けることで世の中は変わる」と、住民投票の実施を求めて市民が行動する重要性を訴えた。