コメディーで本格琉球芸能 「五月九月」 16日東京初公演


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琉球王朝時代の接待の宴を題材にコミカルに描く舞台「五月九月(ぐんぐぁちくんぐぁち)」

 【東京】音が似ている「5月(ぐんぐぁち)」と「9月(くんぐぁち)」を聞き違えて宴をダブルブッキング(二重予約)―。琉球王朝時代、中国からの冊封使と薩摩の役人と両方の接待を同じ日に設定してしまい、右往左往する首里王府の役人らの姿をコミカルに描いた舞台「五月九月(ぐんぐぁちくんぐぁち)」(琉球芸能大使館主催)が16日、東京都の「座・高円寺2」で上演される。東京では初開催で午後3時と7時の2回公演。

 組踊上演300周年事業の一環で、沖縄県文化芸術創造発進力強化支援事業と文化庁芸術祭参加公演でもある。

 コメディーだが、劇中の舞台では本格的な組踊や島々の芸能が披露される。東京公演では初心者にも理解しやすいように、人間国宝(組踊立方)の宮城能鳳と県立芸術大学付属研究所専任講師の鈴木耕太氏による「琉球芸能ゆんたく」も前段で用意されている。

 脚本・演出を担当した富田めぐみ氏は「琉球芸能に触れてもらうため敷居は低くしたが、質の高い芸能を楽しんでいただける。大国に翻弄(ほんろう)されて、なかなか自分たちで行く先を選べない琉球の島国の運命が表れており、今の沖縄の状況と意外とリンクしていると感じられるのではないか」と話した。

 全席指定で一般4千円(当日4500円)、学生2500円(同3千円)。問い合わせはシアター・クリエイト(電話)090(3074)8295。